フイルムカメラのすすめ Minolta SRT 101

カメラとか写真とか

緑の瞳にモダンデザインをまとった名機

PENTAX SP に遅れること2年 1966年発売

当時 55mmF1.7の標準レンズ付きで 32.600円だった

正にライバルのSPが絞り込み測光に対して

絞り込んでも 明るいファインダーのままで測光できるので

露出も ピントあわせも ライバルを凌駕する カメラの出現でした

世界初のふれこみで TTL測光で さらに

ファインダースクリーンの上下を二分割で測光することで

屋外での撮影では より適正露出を得やすい とうたわれていました

1960年代の終わりのころに 私が最も憧れたカメラでした

高価で ごつくて いかつい NIKON      

オーソドックスを地で行く ペンタックスに対して

あか抜けた デザインのボディ ミノルタのロゴマーク 

機能を文字化したかのような 機種名のロゴ 

他のカメラレンズには見られない 緑のコーティング

秋岡芳夫さんと ミノルタカメラ

当時の ミノルタのデザインの 多くは

日本の工業デザイン界の 草分けでもある 秋岡芳夫さんを中心とした

デザインチームが 担っていたそうです

レンジファインダーの V2  ミノルタ初の 一眼レフ SR-2

それに続くSRシリーズ  ハイマチックシリーズ

ミノルチナシリーズ  等々

秋岡芳夫さんの事を知ったのは 実はカメラとは関係なくて

今から40年も前 

私が宝飾品の製作工房に 内弟子でいたころでした

偶然 手にした 一冊の本からでした

秋岡芳夫さんは プロダクトデザインのかたわら

日本の古い手道具の収集家でもあり 著述家でもあり

それらの収集品の解説 時代背景をまとめた名著 「 日本の手道具 」は

手仕事を志していた私にとって 心の拠り所でもありました

秋岡さんは 道具について語るとき その道具を長年使い込んできた

職人の気持ち まで 想いを馳せて語っていますz

秋岡芳夫さんのデザインについての著書

講談社現代新書 「 デザインとは何か 」 の 

表紙の文章を 少し引用したいとおもいます

  ~ ショーウインドーに飾られているときが

      一番美しく  使っているうちにつれて

        みにくくなる デザインは ほんものだろうか

  見ためにはきれいでも

    使ってみると 不便なデザインは ほんものだろうか

本書は 消費意識をあおりたて

  購入意欲を そそるためのデザインから

    使用者の便利さを 考え

      使いこむにつれ 美しくなる デザインへの

        発想の転換を 大胆に 提言する  ~  

秋岡芳夫さんのデザインを 一言で語るならば

思想の具現化にあるのではないでしょうか   

 

あの頃の ミノルタのデザインが 時代を経て

なぜ 今でも 独自の存在感を 漂わせているのか

わたしの思い込み かもしれませんが

秋岡芳夫さんの DNA  デザイン思想を 受け継いでいるから

なのではないでしょうか

1958年の SR-2 や V2 から 1980年の α-7 まで続いた

Minolta のロゴをデザインしたのも 秋岡芳夫さんでした

秋岡芳夫さんのロゴが 無くなってからの ミノルタは

デザインの テイストも 変わってしまい 以降

ミノルタに 魅力を 感じなくなったのは 私だけでしょうか

話が 飛躍しすぎました 

内蔵露出計の電池にについて

この SRT101 完全機械式カメラですが

露出計には 電池が必要です

MR-9 という型番の 水銀電池が 標準ですが

入手できないので

100均で簡単に手に入る LR-44を おすすめします

サイズが小さいので 2mm厚のゴムシート か 梱包材などを

はば3mm 長さ43mm に 定規と カッターで切って

左はMR-9 電池  右が LR-44
切ったゴムシートを丸めて

電池ボックスの 内側に入れると

LR-44 が ぴったり入ります

僅かに 電圧が高いのですが 回路的に問題はないようです

ここは こだわらずに 入手し易さ

フィルムカメラを楽しむことを 優先していきましょう

この SRT101は ニコマートのように

レンズを交換した際の 作法的なことは なにもありません

ボディ 底面の 露出計スイッチを ON にしたら

BCはバッテリーチェック

細い指針に シャッターと 絞り どちらかで

丸く穴の開いた 針を合わせれば 露出 OK

明るいスクリーンで ピントも 合わせやすい カメラです

シャッタースピードが 表示されます

いまどきの カメラと違って ボディ グリップ風には なってませんが

クリーンな 造形は スイッチの配置も 使い易くできています

私は MCマウントのレンズで

シグマの フィルターマチック 24mm f 2.8

という モノクロ時代の フィルターが内蔵されたレンズを

長年愛用しています 

そしてロッコールレンズ

近年 柔らかなボケと写りの良さで

人気があるようですが ぜひ フイルムで ミノルタボディで

味わってみてください

コメント