メルカリ ヤフオクとかで 古いカメラ探し していると
ちょいちょい見かける くろいやつ
何度も 記事にした koniletteと同じ ベークライトのカメラ
romoのような オモシロ映りのトイカメラ?
むかし 小学生あたりを ターゲットにした 豆カメラ?
興味深々 だけど タイプ別の違いが ビミョーにワカラン
他のカメラとの 比較記事も あまりなくて すっごく安かったので
おっかなびっくり 購入してみました
( おされな 言い方してますが 届いた当初は !! ?? でした)
レポートしてみたいとおもいます
詳しい来歴は 他の方のウエブページも参考にしていただければ幸いです。
start35は こんなカメラ
1940年代 野村光学研究所の野村勝男さんという方が 考案した
教材用のカメラ ( 35㎜フイルムを切りとり 1枚撮影できるものでした )がはじまりです
のちに ロールフイルムが使えるよう ( ボルタ版 ) 設計を改め
一光社というところから1950年に 発売されました
単玉レンズ 単速シャッター( B バルブ可 ) 裏紙付きのボルタ判フイルム使用が
シリーズの 基本仕様でした
リッチレイ とか スタートリッチ とか 発売元が違うカメラもありました
最初 24x24mm の ましかくフォーマットにはじまり
のちに 24X36mm サイズにかわりました
カメラの軍艦部を開けて フイルムをおとしこむタイプが 三機種 24x24mm( ツノ付きモデル )
横開きの 裏蓋付が 3機種 24X36mm ( ツノ無し )
本革のケース 黄色フィルター フード( 丸タイプ 角丸タイプ ) レンズキャップが
付属品として 用意されていました
1.初代
30分の1シャッター f8 絞固定
(レンズの前に絞を変えるアダプターで f11、 f16 に変えていた)
絞りアダプターの現物は 未確認です すいません
2.二代目
フアインダーに 金属のカバーが付き
レンズの横に 絞を変えるレバーが付いた
( S、 サマー W、 ウインターで 切り替え)
3.三代目 start35Ⅱ
S,W 切り替えが 8,11,16の三段階になる
ここまでが 24X24 フォーマット
4.四代目
start35K
フォーマットが24x36mmに
巻き上げノブが 大きくなり プラ製に
蝶番のついた 横に開く裏蓋になり 装填しやすくなる
絞調整は 無くなる ( 絞アダプターが 付属したかは不明でした)
5.五代目
start R
機種名の入ったレンズボードがついて
S、W の 絞を変える レバーがついた
6.六代目
start35K-Ⅱ
軍幹部全体が 金属製
レンズまわりも サイドへ回り込むように金属カバーが付き
S,W 切り替え絞レバー 更に シンクロ接点も付いた
ここで ちょっと疑問
三代目から 四代目で なんでか 絞が無くなってスペックダウンしたのか?
これは 推測ですが
24X24と 24X36は 同時進行で 発売されてたのかな
初代、 四代目、 二代目、 五代目、 三代目、 六代目
って 順だった? ( 何代目っていうのは 私が勝手によんでいるだけですが )
ちょっと謎です
私の元に来たのは 三代目 start35-Ⅱでした
オークションで落札したときは違いがわかってなくて
できれば
24X24のましかくフォーマットだったらいいな
くらいに思ってました
届いて 開封したときは 正直
( あれ? だまされたのかも! )
って思いました
なぜか?
想像していたより ずっと小さい!
一言でいうと カメラの形の オモチャ
start35というカメラを模した オモチャ
これに フイルムは 入んないだろ~ 置物か~?
なんぼ何でも 安すぎだったし ( 100円 )
ヤフオクあたりで 1000円から 果ては 諭吉さんレベルまでが多かったので
崖から落ちた まではいかないけど
階段 踏み外しレベルに がっくりしました
気を取り直し じっくり見てみると 本物でした ほっ・・・
どうやら 本物っぽいので まずは観察しましょう
フアインダー もう 光学的にどうこう言うなと そんな感じ ( 曇ってます )
独特のフォント 誇らしげな エンブレム
これに 胸ときめかせた小学生が かつて大勢いたんだ
フアインダー両横に 止めネジ(ツノ)があるのは 24X24フォーマット
フアインダーも正方形なのでかたちから フォーマットがわかる
24x36フォーマットは横長 長方形のファインダー
コーティングされた ガラスレンズ 少し厚みのある メニスカス
8,11,16、 切り替えシボリ レンズが 、、、
ボルタ判を使う時の カウンター窓
前側 向こう側は シャッター 手前は バルブ切り替えレバー
後ろ側 フアインダー両サイドにボディのふた 止めネジ 手前 フイルム巻き上げノブ
付属のフードと Y フィルター
( ケースが付いているより こちらが付属しているほうが珍しい )
フードとフィルター 取り付けの図
必要最低限に徹した 設計なのがわかる
フイルム枠
いったんはずしてからフイルムを 落とし込む
スプールと フイルム枠 ( さびが浮いている )
焦点距離は 40mmくらい
シャッターは ピンセットで簡単に 取り出せる
フジペットの 6X6みたいなシャッター
30分の一の単速
問題なし
いたってシンプルな シボリ構造
シボリのつまみのマイナスネジを外す
シボリを外すとレンズもはずれる
ワッシャーがわしゃわしゃ出てきた
スタート35 三代目 全景でございます
まあまあ よごれは取れたけど コーティング剝がれが
お掃除 time
フイルム室の 両脇に たてに板バネが入っていて
フイルムを押さえるようになってますが
効果は?
昭和の ホコリ
フアインダーカバーを外す
対物凹レンズ 接眼凸レンズ 結果 普通にみえるので
レンズ 必要?
ツノをはずせば良かったんだね
部品点数も そこそこ
レンズの コーティングはがれがあるものの
実用には 問題ないくらいに なりました
ボルタ判フイルムって どうなの!?
手のひらサイズ っていうか 手乗りカメラ っていうか
24X24で 撮影できても
35mmフイルムのパトローネは 当然つかえません
ベスト判っていうフイルムなら かわうそ商店さんでも
今でも( 2021年 現在 )入手は可能
スタート35の ボルタ判となると もはや 絶滅種みたいです
35mmフイルムと 120ブローニーフイルムの裏紙で
つくることが 出来そう なのは解る
だ・け・ど・
わざわざ 裏紙付き フイルム
作る必要 ある? あるかな?
という そもそもの 疑問!?
( ベスト判フイルムは 幅が 40mm なので
このサイズでどうしても撮りたくて ブローニーから 切り出してつくるっていうのは
意味あると 思う )
裏紙付きフイルムなら 戸外で フイルムつめることができる 便利
しかし 裏紙付きフイルムを 自製するために
暗室とか( 大げさ ) とか ダークバッグとか いるよね
それに 裏紙の厚みを考えると
ざっくりと 撮影枚数 半分になる!
ってことに 気づいてしまった
どのみち ダークバッグの作業が必要ならば
直で カメラに 詰めてしまうのが 早いよねってことに
落ち着きましたとさ
それに もし仮に カラーフイルムで撮って
ラボに出すとしたら ( 受けてくれればの 前提として )
裏紙に テープなどで止めると
ちょっと 具合が悪い
( 現像中に テープがはがれて 現像液 現像機に 悪さする恐れ )
それに 裏紙 持ってないし
いやいや 取り越し苦労の 心配 いら ないし
ベスト判フイルム 作るの 目的じゃないし
スタート35はあくまで簡易なカメラなので
簡易に出来るようにするのが これにはふさわしいと
思うわけです
直接 35mmフイルム 詰めましょ!
裏紙付きのフイルムは スプールがもうひとつ手に入った時に
その時に ってことにして
今回は モノクロフイルム
それも 期限切れ コダックTry-Xで 自家現像で いきたいです
ボルタ判フイルム スプールとか
一個だけは スプールがついていたのですが
どうせなら新たに 2つ
35mmフイルムのパトローネからスプールをつくることにしました
それは 同じものを使うことで均一なフイルム送りになるように
と おもったからです
スタート35に付いてきた スプールの寸法にあわせて
削っていきます
長さ 36.3mm 天地のプレート径17.5mm
軸径は ボルタ判 8.4mm
35㎜フイルムのスプールから作ると 軸径11.4mm
3mmも太いので 裏紙付きフイルムを使ったら
撮影枚数が 減ってしまいます
裏紙なしで11.4mm径の軸にフイルムを巻くと
約40センチは 巻けるので ( 60センチくらいは いけそうですが )
余裕をみても10枚以上 撮影出来そうです
フォーマットが24X24なので 1コマ26mm必要だとして
実質 35センチだとして 350割る26=13.4枚
撮りきりの枚数として 40センチを巻くのは
ちょうどじゃないでしょうか
ということで さっそく35mmフイルムのスプールからつくります
いらない 部分は 糸鋸で落とします
上下の でっぱりは全部 削っちゃいます
必要な 径に けがいて
やすりで 削り落して 最後はサンドペーパーで 仕上げました
二本 出来上がりました
さて フイルム側は ちゃんと巻き上げないといけないので
スプールに差し込むように加工します
フジのパトローネから フイルムの端っこを ガイドにして
パーフォレーション穴 4つ分 幅をせまく
切り落とします 丸い 穴が スプールに引っ掛かって止まるのですが
簡単にするため 長めにして 折り曲げて 止めます
一穴パンチで 穴が開けられる場合は 本来のやり方でも OKです
こんな風に 差し込んで折り曲げて必要な長さ 一旦 巻取り側に
フイルムを 巻いていきます
ここから 実際 ダークバッグの中での 作業を
シミュレーションしていきます
20センチ引き出して 巻いてを二回
40センチ分巻いたら ハサミで切り落とします
次に 作ったもう一つのスプールに 今巻いたフイルムを 巻き戻していきます
自家現像ならセロテープで止めてから 巻き戻せば たるみなく戻せるので
テープ止めも お勧めします
巻き戻したら 片手で 両スプールを持って 本体の フイルム室に
落とし込みます
こんな感じ
フイルム圧板を差し込みます ( 手探りで けっこうこれが たいへん )
フイルムを 押さえて 圧板を下まで落として 完了
注意してほしいのは スプールの軸の中の形状です
右側の 巻き上げ側の軸の穴に注意 ( この向きで )
始めにフイルムを巻くときから 意識してくださいね
巻き上げノブの軸が入った時に 掛かるように
※ ボデイのふたをするとき 巻き上げノブが収まる位置を回しながら
ふたをすることと シャッターが ちゃんと切れるか 注意してください )
これで 取り付けネジを締めたら やっとダークバックから 出せます ( やったー )
start35で 撮影の巻き
元々の ボルタ判は 裏紙付きのフイルムで
枚数が 裏紙に表示されて 裏窓から読み取ればよかったのですが
35mmフイルムを詰めたので
裏窓は 黒のスエードで目隠しをしました
なので カウンターはつかえません
フイルム送りは 4分の3回転ノブを回せば
大丈夫です 一枚目と10枚目では当然10枚目の方が
送る長さが変わってくるけど わかりやすく
4分の3と覚えておけば いいでしょう
右側ネガは 巻き上げ 1回転 左が4分の3回転 ( 40センチのフイルムで 14枚撮れました )
なので 巻き上げは もっと少なく 6分の4くらいでも いいでしょう
デジカメで撮って ペイントで反転 簡単に修正しました
フイルム枠が きちんと収まってなかったようで 少しななめ
もうすこし 撮影の経験を積んで 面白い絵を 撮りたいですね
start35 まとめ
もし 家にあったら もし もらったら
使ってみるのも ありかな と思います
どうやっても ちゃんと撮れてしまう
現代の デジタルカメラの
対局にあるカメラ
見た目にあらず 手ごわいので 愉しんではどうでしょうか
長々 最後までお読みいただき ありがとうございました。
楢崎の でした
コメント