もう 語りつくされたフイルムカメラかもしれませんが
改めて キャノン デミ初代機
英世さん一枚 お釣りも 有りで 入手してみました
デミのあらまし
日本でハーフカメラのブームの火付け役となった
オリンパスペンが発売されたのが 1959年
そこから おくれること4年
1963年 昭和38年 2月に 初代デミが発売されました
初代のデミは
焦点距離 28mm f2.8 と
控え目なスペックでありながら
一級の写りにこだわった すぐれたレンズをそなえていました
ハーフカメラ後発にもかかわらず
おしゃれな カラーバリエーションもラインナップされ
人気のカメラになったそうです
初代デミは 真鍮製のボディーカバーの最初期型と
デミ2と呼ばれる カバーがアルミ製に変更された 二種類があります
私のは セレン電池の裏に 39,3,2 のスタンプが押された
アルミカバーの デミ2になります ( 製造年月日でしょうか? )
私のデミと同年 昭和39年には
明るい f1,7レンズがおごられた デミS
昭和40年4月には
レンズ交換式の デミC
同年6月には
デミSと同じレンズで
ラピッドフイルム専用
セレン光電池から 電池式 CDS受光素子測光の
デミ ラピッド
昭和41年5月には
デミSスペックで CDS測光式の
デミ EE17
そして最後のデミとして
昭和42年4月に
初代デミを進化させ
カメラが露出を選択して
ピント合わせも ゾーンマークに合わせたら
後はファインダーをのぞいて構図を決め シャッターを押すだけのカメラ
デミ EE28となって シリーズは終了となりました
デミは露出計 命です 治しましょう!
けっこうな安値で入手したデミですが
もちのろんで 露出計がうごきません
マニュアルで使えばいいとおもっていたのですが
マニュアルで使う前提になってなくて
実に 使いにくい!
フラッシュ用 カミナリマークにすれば シャッター速度 30分の1で
絞はクリックで任意で設定できるんだけど
30~250のシャッター速度いずれかにすると
絞レバーは ▼マークに固定されてしまい( 任意のところで とまらない )
意味ワカラン状態になるのでした
( マニュアルで 絞値 シャッター速度が選べない )
露出計無しでは とても使う気になれない メンドクサカメラです
きっと 露出計不動の理由で 初代デミを持て余してる方
多いんじゃないかと思います
ここは 露出計の精度には 目をつぶって
とりあえず 動くように ってことで
100均の電卓から ソーラーパネル移植することにしました
セレンと ソーラーパネルではそもそも面積も違うし
発電量 効率うんぬん とかありますが
安価に 簡単に 露出計動くことを優先して
使うの 自分だし いけいけで治しました
セレン受光素子が劣化していると思われるので
セレンにアクセスします
まず レンズまわりの 3本 ネジをはずします
組み上げる時は 均等にネジ穴が開いているのではないので
3本とも合う ネジ位置が決まっていますので あわせてからしめてください
次に 前面の貼革を 外側よりめくって
( デミだけに 半分だけめくれば 大丈夫 )
2本 ネジをはずします
反対側も 2本はずすと
7本 ネジをはずすだけで いわゆる ガワが外れます
巻き上げレバーは はずさなくても OK
実に 良くできたカメラ
キャノンの フラッグシップカメラと 私的には 呼んであげたい!
露出計修理は ここまでの分解でだいじょうぶです
余談ですが 初代デミのファインダー
なりは小さいながらも
ガラスプリズムを組み合わせた 中々のスグレモノで
ほかのカメラに流用したくなるほどの贅沢なつくりです
セレンは フアインダーレンズの横の爪で押さえられています
反対側も 同じようになっているので
少し 拡げるようにしてあげると 外れます
受光部分の枠です やわにできているので やさしく扱いましょう
はずした セレン電池
セレンには 一本だけコードがつながっていたのを はずします
日付けとおぼしき スタンプが 押されていました
カメラの製造年月日でしょうか? 発売翌年ですね
ソーラーパネルの +側を ベース部分にハンダ付け
セレンにつながっていたコードと
ソーラーパネル -側 のコードを ハンダ付け ( ちゃんと溶けてないっぽい? )
ガムテープで 絶縁して ( しろうと作業で すいません )
幅が うそみたいに ぴったり
コードが一本増えて 取り回しが じゃまくさいですが
すきまに 押し込んでやると このように 元通りに収まりました
ばらした 逆の手順で 組み上げます
動けば 良しということで ばんざい~ メーター振れてま~す
( 細い針が 露出計 太くて短い針が レンズまわりのリングを回すと動く )
細い針に 太い針を合わせることで 適正な露出が 得られるしくみ
セレンに対して ソーラーパネルの特性として
薄暗い場所の発電効率はあまりよくなくて
明るい場所での効率は ぐっと良くなるらしい? です
ということは メーターの振れが小さい時は
少しだけ追い針は多めに(+)
メーターの振れが大きい時は 少な目(-)にしてあげると 良い?
ということで セレンとソーラーパネルの特性の違いを アナログに
人力補正すれば いんでないかい?
と 結論付けてみました
いやいや そんないい加減はダメとおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが
露出計動くと ホント デミ使い易いんです
どちらかといえば キャノンカメラのファンではないのですが
デミはとても 使い勝手の良いカメラです
フイルムをつめて いつでも持ち出せるようにしたくなります
デミの 使い方~ 露出計不動編
いまさらの 今更でスミマセン
露出計お不動さんだと ただのメンドクサカメラと思っていたら
見つけたんです
キャノンカメラミュージアムで見つけた
なんと手書きの プログラムシャッター変化図
このプログラム図があれば
露出計不動のデミをお持ちの方
露出計か スマホ露出計アプリで LV(ライトバリュー)値を計ることで
適正露出で デミを使えます! (キッパリ!)
( EV値でも かまいません )
さて どうするかといえば
私の使っている露出計で説明します
使うフイルムの 感度を合わせます
測光ボタンを押して 測光します ( 赤い針が振れる )
赤い針の位置に ぎざぎざのダイアルを回して 緑の丸を合わせます
シャッター速度 絞り値が 分かりますが
下の EV値(LV)を読み取って 上の表
EV8なら 2.8
EV値12なら 5.6 と 8の間 3分の2
というように EV値(LV値)に対応する デミの絞値(f値)
に変換して絞位置マークに 合わせてあげれば
露出計 お不動さんのデミを
復活させてあげることが できます
デミの本当のすごさは 取り回しの良さで
その良さは 露出計が動くことで 発揮されるんだけど
この方法でも十分 デミらしさ 楽しめるとおもいます
カミナリマーク(フラシュマーク)に合わせて
30分の1 固定シャッターで 絞値(f値)を変えて 使うのも
もちろん あり ですが
デミの使い方 本編
なにぶん 60年近く前のカメラなので
裏蓋を開けたところの遮光材は駄目になっています
竹串を平たく削って 先で古い遮光材を落とします
薄い両面テープを貼って 細めの毛糸を何本も貼って
遮光します ( 百均フェルトは厚すぎかな? )
バックスキン革とか 専用の遮光モルトも手に入りやすいです
( アマゾン カメラモルト で検索 )
レンズが汚れている時は
私はメガネ拭きクロスを濡らして硬く絞ったので拭きます
レンズ周辺は 竹串にクロスを巻いて拭くと 隅まできれいになります
レンズの後ろは シャッターを B バルブにして
綿棒に湿ったクロスを巻いて やさしく拭きます
フイルムを 入れます
巻取り軸に フイルム1周したら 裏蓋を閉めて
空シャッター3枚で さあ撮りに行きましょう
フイルム コダック ゴールド200 とか おすすめです
感度を合わせます
ダイアルを 右か左に いっぱいに回すと
黒いマークが移動して
感度をかえることができます
左手で 露出合わせ
続いて ピント合わせ
右手は シャッター そして巻き上げます
一連の動作に ほんとうに無駄がなくて
ピント合わせ忘れて ピンぼけの失敗が少ない
フイルムの無駄が少ないです
巻き上げる時 レバーが戻るときの メカ音が 実に デミ!
耳を澄ませば そこにデミ
余談ですが
私は フイルムカメラのメカ音を
耳を寄せて聴く 聴きカメも 大好物です
家に 眠っているデミがあったら ぜひ復活させてあげましょう
デミ まとめ
デミシリーズ
初代のデミが やはり 一番のおすすめです
オリンパスペンと比べると やや大柄ですが
そこが ちょうどよいサイズ
レンズ部分が 出っ張っていないのでポーチなどに入れても良し
引っ掛かりが無いので 持ち出しやすくて取り出しやすい
( ペトリハーフと比べると レンズの出っ張りが少ないのが おわかりでしょうか )
カメラを支える左手で 露出 ピント合わせが
すばやく出来て シャッターが切れる
ひと手間かけて写真を撮るっていう
カメラを操作する醍醐味も 残しつつ 簡単に撮るという
そここそが 開発者の目指したところだとおもいます
レンズの見た目とはうらはらに びっくりの 写り
24枚撮りで 48枚写せる お得なハーフ
写ルンですで フイルムカメラに魅せられたら
次は 是非
デミがお待ちしております。 ( お前はデミか! という突っ込みは無しでお願いします )
ながなが よんでいただいて ありがとうございました
楢崎の でした
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