フジカ ラピッド S2
名前の通り ラピッドシステムのカメラです
でもそれだけじゃありません
日本製のカメラの中でも数少ない
35mmフイルムで正方形に写るフイルムカメラ
ましかくフォーマットのカメラでもあります
さらに
フジのラピッドシステムのカメラにあって
デザインも 何故かこのカメラだけ ちがうテイストだったりします
そんな フジカラピッドS2の特徴について
じっさいにさわって 使って 考えてみました
カメラのスペックは他のサイトで見てもらうとして
前置きは このくらいにして 実際に作業したことから
はじめましょう
フジカラピッドS2は シャッターが切れないジャンク品!
いつもの ベンジン点滴で復活を試みました
後玉をレンチではずしてみると
すぐに 4枚の絞羽根 シャッターに アクセスできるので
スポイトで 少しづつベンジンを差しては シャッターを切るを繰り返して
難なく 復活しました ( 実は 数日 暇を見ての 繰り返しでしたが )
フイルムカメラの多くは 長いこと使われなくて
不調になっていることが ほんとうに多いです
特にラピッドシステムのカメラは
フイルムの供給が短期間で終わってしまったせいで
しまい込まれたまま放置されているので
入手したすべてが いわゆるお不動さまでした
( また ほかのラピッドカメラも 紹介したいと思っています )
いまどき普段使いしていて
情報発信している方もなかなか いらっしゃらないので
基本的な使い方も分かりません
勢いで 少しばらしてみました
いわゆる 針抑え式で EEのコントロールをしているようです
セレンが全く発電できていないようで
光に反応せずに 針が動きません
ドーナツ型のセレンがダメだと 部品に困ります
今回 分解が目的ではないので
マニュアル使いで撮影することにして
もっと分解のスキルが上がった時まで
本当の修理はお預けにしました
このカメラ わかったのは 機械的な仕組みとして
フイルム装填をして 裏蓋を閉めると
カウンターが S ( スタート )
レバーを3回巻くと カウンターが16になり
はじめてシャッターが切れます
そこから16枚撮影できます
長めにフイルムを詰めても 16枚以上シャッターは切れません
けっこう頑固おやじな仕組みです
ラピッドマガジンには 約60センチのフイルムを詰めて使います
私は 35㎜フイルムをダークバッグの中で詰め替えます
革ジャンなどでも 襟口と裾を折って 袖から手を入れることで 代用できます
切り口は 写真のように そろえると良いでしょう
ラピッドマガジンに詰めた後で 明るいところで
反対側も 同じように 切り揃えると 良いでしょう
オートが使えないので
シャッターは 30分の1 の固定
絞が f2.8 から f22までのマニュアルで
撮影しました
ピントは ゾーンフォーカスで レンズの銅鏡に
メートル フィートの数字と アイコンが
ごちゃごちゃと表示されてて
ちょっと スマートではないです
アイコンの ひとりと 3人に クリックがあるので 良しということで
FUJINAR-K 28mm f 2.8 という3枚構成の レンズです
ましかくフォーマットの写りです
期限切れフイルムで 鮮やかさは いまいちですが
画角は 広角が好きな方には 良いとおもいます
フジカラピッドS2のデザインとか
フジのラピッドカメラには 24x24の Sシリーズ
スプリング巻き上げの Dシリーズ
フラッシュソケット装備のSFとかあったらしいですが
このS2は 東京芸大の教授 田中芳郎さんデザインだそうで
ラピッドシリーズでありながら フジカミニと左右 対になった意匠で
元々 ハーフサイズカメラとして フジカミニの女性向に対して
男性向きの オシャレハーフカメラとして企画されたのかな?
そう思えてくるほど 同じモチーフが共有されています
ラピッドじゃなかったら きっと人気カメラになったと思うと
ちょっと 不憫なS2です
フジカラピッドS2 と マミヤスケッチ
この2台の ましかくフォーマットカメラ
不人気カメラと 人気カメラ
でもありますが
S2が フジカハーフと似たスペックのf2.8の28mmレンズ
( ハーフは FUJINON 3群5枚レンズ S2 FUJINAR-K 3群3枚レンズ )
フジカミニは25mmレンズ
S2の カメラとしての出自は ハーフカメラの拡大フォーマットと思われる
に対して マミヤスケッチは
1950年代にシリーズ化された mamiya35の中で生まれた
mamiya35ワイドの F2.8 35mmを出自として登場したので
35mmサイズの 縮小フォーマットと言えるでしょう
S2がラピッドカメラでなかったら 人気を二分したでしょう
不運な S2
もっと S2 に注目してほしいですね
盛りさがって 終わるのも アレですが
ながなが よんでいただいて ありがとうございました
楢崎の でした
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