先に 六櫻社のベビーパールの記事を 書きました
やはり 本家の記事を書かなくては 完結できない思いもあり
やっと フイルムを詰めて 撮影することが出来ましたので
ご報告ってことで あれこれしたこと 書き留めておきたいとおもいます
まずは 成り立ちから はじまりはじまり~
ツアイスイコンの主力製品だったイコンタ
1920年代後期 ドイツでは
中小のカメラメーカーが カールツアイス財団の元
大同合併して ツアイスイコンが誕生し
しばらくの間は それぞれのオリジナルを ツアイスイコン銘で販売していました
コンテッサネッテルの代表技術者だった Dr.ナーゲルを中心として 1929年
最初のツアイスイコンオリジナルとして誕生したのが イコンタです
最初の 量産型スプリングカメラで 多くの派生モデルが生まれ
そして 日本でも イコンタに 範をとった 多くのモデルが生まれました
* *
始まりは イコンタⅠと呼ばれ 520/2の製品コードが与えられました
120フイルムを用いて 6×9cm フイルム室にマスクをして 6×4.5cmでも撮れました
レンズは ノヴァーf6.3 10.5cm が用いられました
次に登場したのは 129フイルムを用いる
イコンタで 1930年の事でした
製品コード520/14
レンズは ノヴァー f6.3 8cm でした
そして ベビーイコンタの登場です
127規格フイルムを半分サイズで用いる 半裁判カメラで
製品コード 520/18が与えられ
レンズは ノヴァー f6.3 5cm でした
f6.3の ノヴァーレンズは のちに 明るいf4.5に 改良されて
127フイルムのカメラは 当時のドイツでも たいへん人気だったそうです
ツアイスイコンを 第二次世界大戦 戦前戦後支えた イコンタ
多くの派生モデルを生んだイコンタの 始まりが
520の製品コードを与えられた イコンタだったのです
のちに 製品コード520に /15 /16 を与えられた
異なるフォーマットのイコンタも 製品ラインに加えられました
イコンタは 日本 欧州 アメリカ さまざまな呼び名
モデルも 多岐にわたっているので
選ぶのに 悩ましいところですが
おすすめは なんといっても ベビーイコンタ
テッサーレンズ付きは コレクターアイテムとして人気もあり
わりと 高価です
ノヴァーレンズのモデルは ぐっとクラシックなたたずまいで
古いこともあって 良くない状態の個体も 多くみられます
* *
わたしの ベビーイコンタ
みての通り さびさびのぼこぼこ
コレクターには 見向きもされないので
楢崎の は注目します
朽ちていくのを見ているのは忍びないので 何とかしたいですね
置物? インテリアの飾り?
オークションで 落札する人って どうしてるんだろう
どれだけの人が 入手した後 フイルムを詰めているんだろうか
残念ながら 知る由もありませんが
ベビーパールも 現役復帰したし
リメイクする時が そう 今です 今ですって
オリジナルであるべきか 否か 問題
約90年を過ぎた わたしの イコンタ
残念ながら 新品のかがやきは とっくの昔に失われて
インテリアの飾りにもできないくらい みすぼらしくなっていました
オリジナルを残したい 気持ちも抑えつつ
生まれたころの 輝きを再びって思いで
まずは 観察です
オリジナルの貼革は 本革ではなく 紙の裏に布が当てられたフェイク
ルーペで拡大すると 細かなヒビが入っていて
貼革をこのまま活かすのは 絶望的状況でした
それよりも 一度 錆を落として錆止めをしないと
悪くなる一方のところまで 来ていると判断して
オリジナルにこだわらず リメイクすることにしました
その前に
ちょっとはがしたところ 一面の 銀世界ならぬ 錆世界!
ここもそこも さび さび
文字や 刻印のところは 残したいが、、、
520/18 の文字
ここも 残したかったけど あかんて!
サンドペーパーで さび落とし
フアインダーのさび落としは 3Mの 研磨スポンジが使い易いです
わびさびで もうお腹いっぱい
落とし終わったの図
意外と 錆は 深く浸食していなくて
90年前の鋼板の質が良いことがわかります
これはこれで カッコイイかも!
軍用イコンタ風 ( そんなん 聞いたことないけど )のリメイクもアリかも
うらぶたには こんな刻印を 発見!
ツアイスイコン フイルム? A8 ってなに?
途中で 記念撮影!
アサヒペンのさび止めスプレーを 小瓶に取って
筆で塗っていきます
すき間が狭いところは アルミホイルを挟んでから 塗れば OK
何種類も 貼革を入手しました
スエードも 3種類色違い
シープスキンも2種類
検討した結果 元々のイメージに 多分近いということで
黒の 極薄手の シープスキンを 貼ってみました
張り替えも 簡単にできるように 両面テープで貼ります
ちらっと ベビーパールの後ろ姿
元々の 雰囲気に近いリメイクに なったでしょうか
といっても 発売当時を知る人は 100歳以上って ことですが
ブランド銘がないと ちょっと アレです
ノヴァーレンズは 3枚玉のトリプレット
傷は無くて 90年前のレンズとはおどろきです
新品でこのカメラを買った人が 今 もしこれを手にしたら どう思うのでしょうか
新しくもあり 古くもあり
手乗り イコンタ
小さくても ビンテージのたたずまい
初期の ベビーイコンタ いいです!
あなたの イコンタも
リメイク しましょう
あと100年 使えます!?
貼革にイコンタの名前を入れてみたら
あえて 違うロゴを 木型で作ってみた
O の中は 後から押して型を付けました
ホントは こんな風に 入れたかったけど、、、
今回 貼革には結局 名前を入れませんでしたが
もうちょっと 出来の良い 文字が作れるようになったら
完コピまで やってみたいとおもいます
手順も 公開したいと思っています
135mmフイルムを装填してお手軽カメラに
ベビーパールの時のように
35mmフイルムを詰めて
撮ってきました
スプールは フジのパトローネから取り出して
127フイルムのカメラに合わせて 加工したものです
( ベビーパール ナーゲルヴォレンダ の記事見て頂ければ 幸いです )
baby ikonta は もともと127フイルム機です
画面サイズは 3x4cm ベスト半裁判とよばれてます
35mmフイルムよりも大きい画面サイズを生かすのに
いいフイルムを見つけました
ドイツ製 ORWO( オルヴォ )UN54
ASA感度100
いわゆる 長巻
でも 100ft ではなくて 33ft 巻き ( 10m )
一回に 40cm詰めたとして 25回も使えます
パーフォレーション穴 ありません
35mm✕ 30mm で撮れるので 127フイルムの代替えにぴったり
フイルムカメラ愛好家界隈では 良く知られている
かわうそ商店さんで 入手できます
( すみません 今現在 在庫ありません になってました )
入荷するのを 待っててくださいね
ラピッドマガジンを利用して フイルムの端をスプールに固定できるようにカットします
片方できたら ダークバッグの中で フイルムの向きを入れ替えて
反対の端も 同じように カットします
スプールの 返しが有る方に折り返して引っ張ると 固定されます
固定出来たら カメラともう一方のスプールも一緒に
ダークバッグの中での作業です
巻取り側のスプールは カメラに収めた状態で
バッグに入れると向きを間違わずに作業できます
始めは なかなか上手くいきません 時間もかかります が
すぐに慣れます フイルム詰めるのが 楽しくなればしめたものです
撮影を終えたフイルムは ラピッドマガジンに また戻しておきましょう
現像まで カメラに入れておくと
誤って 開けてしまう事になりかねないので
ラピッドマガジンが無い時は
35mmのパトローネに巻き戻しておくのも良いでしょう
ORWO UN54 の撮影例です
曇りの日 や 夕方だったりしたので
コントラストは 低めです
東京駅の夕景です
素直な コントラストだと思います
フイルムと レンズの相性も 良いみたいで
ノヴァーレンズ ほめてあげたいです
カラーネガも撮ってみました
曇りでの 写りです
データ化は 35mmサイズでキャプチャーされているので
ちょっと不自然なサイズになってます
晴天の 日向で撮ると
90年前の ノヴァーレンズ
明暗も よくとらえていて 現代でも通用するレンズです
ベビーイコンタの 最もプリミティブな f6,3 ノヴァーレンズモデル
後の テッサー付きモデルよりも 小ぶりで
当時とすれば 速写性は どのカメラよりも優れていたと
実際に 持ち歩いて 撮影してみて 改めて感心しました
ベビーパールの 手本になったベビーイコンタ
現役ですけど 何か?
イコンタの開発を主導した Dr.ナーゲルの涼しい顔が目に浮かびます
* *
最後まで読んで頂いて
ありがとうございました
楢崎の でした
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